脳性まひ児は、人生のいつの時点かにひきつけ発作を起こす可能性が、ほかの子どもより高いようである。
この発作は、脳性まひの人の約半分で起こる。
新生児けいれんを起こしやすい赤ちゃんもいる。
一方、幼少期に1、2回の発作を起こし、たいしたこともなくすんでしまう脳性まひ児も何人もいる。
いろいろなタイプの発作があるが、現在では古い用語である“大発作”と“小発作”はもっと専門的な説明に取って代わられている。
一般にけいれん発作は、大きい全身性のものと、もっと小さなものに分けることができる。
前者では全身が震える傾向にあり、意識が失われる。
後者ではちょっとの間意識がなくなり、ことによると眼球の回転を伴う。
周りの人は、発作が起こっていることに気づかないかもしれない。
けれども、この“中断”は子どもの学習を大いに妨げる。
なぜなら、その子は今起こっている30秒間ほどの記憶がなくなるからで、そうした意識の欠落は学習場面では都合が悪いのである。
現在、いろいろなタイプのけいれん発作に対処する広範な薬物が出回っている。
ある種の発作に効果が優れているもの、別の発作に効果的なものなどがある。
概して、抗けいれん薬の長期常用は努めて避けるのが賢明である。
フェノバルビタールのような昔の薬のなかには、脳の働きをげることが知られているものがいくつかあり、とりわけ脳損傷児ではそうした悪影響が出る。
もう1つの一般的な決まりとして、2、3種類の薬を組みあわせることは可能な限り避けるべきである。
2種類以上の薬の使用に移行する前に、その代わりとしてそれらの薬を1種類ずつ取り替えて試してみなければなりない。
発作が起こらなければ、次には両親が家庭で子どもに与えることのできる座薬にして使うことが可能となる。
これでたいてい発作がやむので、安心させる治療薬として利用できる。
脳性まひにみられる不随意運動のせいで、また、あらゆる出来事で脳波がしばしば乱れることから、比較的何もできない脳性まひ児の特定の現象がてんかん性の発作なのかどうか決めかねることがある。
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