【認知症】朝着替えてくれない時の対応方法

はじめに

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衣服の着脱の問題は、認知症の方によく起こる症状です。症状が進行すると必ずと言ってもいいほどぶつかる壁であるともいえます。アルツハイマー病などの認知症によって起こりやすく、はじめのうちはボタンの掛け違いなど些細な間違いですが、徐々に左右や裏表の間違いなどが出てきます。

更に進行すると、服を着るという動作そのものが分からなくなってしまいます。
このような症状は着衣失行と呼ばれ、スムーズな日常生活が送りにくくなる原因となります。

着替えが自分で出来なくなった時の対処方法

認知症による着衣失行は、洋服自体の認識が出来なくなってしまっている状態です。
介助する際には、なるべく全てを手伝うのではなく、本人ができる最低限はやってもらっていくことが大切になります。

服の着る順序や左右・裏表の認識が曖昧になっている状態の場合ならば、着る順番に服を並べておくように準備してあげます。
左右や裏表も、そのまま着ればいい状態にセットしてあげてください。
着衣失行の場合、服を着るだけでなく脱ぐことも難しくなることがありますので、できるだけ難しくないパジャマ(ボタンがないもの、前後が分かりやすいものなど)を選ぶことも大切です。
パジャマの片付けも時間を要することがあるので、着替えながらではなく着替えてからゆっくりとやってもらうようにしてください。

より進行し、着替えがもっと難しくなってきた時の朝の準備は大変です。
なので、本人よりも少し早く起きるようにし、寝ているところを介助で着替えさせてしまいます。
そのままの格好でまた寝てもらい、起きた時にはすでに着替えが完了しているという状態にしておきます。
そのまま朝食や洗面に行ってもらうことができるので、起きてから着替えを促すよりも時間を短縮することが出来ます。

外出しようとした時に上着を着るのを嫌がることもあります。
このような時には、無理に着せようとしないのもひとつの手です。
外に出てみて寒いと思ったら着たがるかもしれません。
毎日着ているものなのにいざそれを着ないで外に出ようとしたら、ふと着ようという思いにかわるかもしれません。
無理強いせず一度最初からやり直してみる、やめてみるということも試してみてください。

おわりに

朝の忙しい時間帯に、着替えに時間がかかってしまうのは家族にとっても大きなストレスになります。
しかしながら、ある程度は自分で出来る状態ならば、全てを手伝ってしまうことは本人のためにはなりません。
着替えの準備を手伝っておく程度からスタートしましょう。

どうしても難しくなった場合にだけ、起きる前に着替えさせておく…というような方法をとるようにしてください。
着替えは認知症にとっては大きな問題になり、家族にも負担を増やすひとつの要素ですので、上手に付き合っていくようにしましょう。

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