痛みの分類

感受系による痛みの分類

刺痛

皮膚を針で刺したり電気刺激などで起こる鋭い限局性の痛みをいいます。持続的に刺激した場合、組織損傷 を伴わなければ1分以内 (闘値付近の刺激であれば5~ 6秒)で消失します。

摘み痛

皮膚を強く摘んだり、骨に対し強く圧迫したときに感 じる比較的広範囲に感じる痛みをいいます。 持続的に刺激した場合、時間とともに増悪します。

熱痛

皮膚を加熱 (43℃~53℃)または冷却 (10℃以下)した ときに生じる非常に苦しい痛みをいいます。 皮膚に対する化学的刺激でも同様な痛みが生じます。

発生機序による痛みの分類

侵害受容性疼痛

種々の侵害刺激(熱、外力など)により侵害受容器が刺激されて起こる痛みをいいます。体性痛 (表在痛、深部痛)、内臓痛があります。

神経因性疼痛

疼痛伝達や抑制機構に関する中枢および末梢神経系の損傷や機能異常によって生じる痛みをいいます。

心因性疼痛

痛みの原因が身体的には存在せず、精神心理的な要因によって生じる痛みをいいます。

発現部位のよる痛みの分類

表在痛

侵害刺激による表在の痛みをいいます。

深部痛

筋・腱・関節・骨膜などから発する痛みをいいます。

内臓痛

侵害刺激のほかに、臓器自体の運動および病的状態による痛みをいいます。

連関痛

内臓の異常に対して、その内臓の求心性神経と同じ分節に属する皮膚の感覚過敏または痛みをいいます。

発生時期による痛みの分類

急性痛

組織損傷に基づいて起こる痛み(炎症反応など)をいいます。生体異常を警告として伝え、損傷組織の悪化防止や修復など生体防御反応を賦活する役割があります。交感神経系の活動有意な身体症状(心拍数増加、血圧上昇、発汗など)を伴います。

慢性痛

組織損傷が明らかでない痛み、または損傷組織が修復 した後にも持続する痛みをいいます。 警告信号としての意味をもたず、それ自体が悪影響を及ぼします。

発生様式による痛みの分類

侵害受容性疼痛

外部または内部からの侵害刺激により発生する疼痛を侵害受容性疼痛といいます。

神経系異常による疼痛

神経系が自発的に興奮し発生する疼痛を神経系異常による疼痛といいます。

心因性疼痛

侵害刺激はない。または軽微な刺激を強い痛みと感じます。

臨床的に用いられる痛みの分類

安静時痛

安静時に起こる痛みのことを安静時痛といいます。

夜間時痛

夜間時に起こる痛みのことを運動痛といいます。安静時痛に含まれます。

運動痛

自動運動・他動運動時に起こる痛みのことを運動痛といいます。

圧痛

圧迫刺激により出現する痛みのことを圧痛といいます。

放散痛

痛みの原発部位から周囲に放散する痛みのことを放散痛といいます。

関連痛

痛みの原発部位から離れた部位に起こる痛みのことを関連痛といいます。

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