ASIA 脊髄損傷の評価



ASIA(エイシア)とは

ASIA(エイシア)とは、脊髄損傷から起こる運動麻痺や感覚障害などの神経学的症状を確認する検査です。対象者は脊髄損傷患者になります。医師、理学療法士、作業療法士が主に評価を行います。評価場所はベッドサイド、訓練室などで行います。

ASIAは、運動麻痺と感覚障害をそれぞれ点数化し、経時的に変化を追跡でき、神経学的診断のみならず、機能障害・損傷タイプ(完全または不全損傷)も表すことができます。

評価の方法

1.感覚機能評価

仰臥位で、C2からS4〜5の28皮節に定められた標的感覚点の触覚と痛覚を検査し、脱出を0、鈍麻を1、正常を2、検査不能をNTとして点数化します。そして、右触覚スコアと痛覚スコアの合計点を感覚スコアとします。

検査方法

使用器具:痛覚は安全ピン、触覚は綿棒を用います。

検査部位:標的感覚点を検査します。標的感覚点がギプスや包帯などで検査できない場合は、同一のデルマトームを検査するようにします。


痛覚(鋭/鈍識別テスト)検査法:安全ピンを使用し、尖ったピンの先を鋭(sharp)検査、丸い頭部を鈍(dull)検査を行います。患者には閉眼か目隠しをしていただき、まず顔面で鋭と鈍を感じさせてから、各標的感覚点を調べるようにします。 安全ピンで触られたとき、鋭と感じるか(チクッと感じますか)、鈍と感じるか(丸く感じますか)を答えてもらい、鋭と鈍を数回繰り返し、10回のうち8回以上正しく答えると正常とします。鋭と鈍が識別できないときは0点となります。

触覚検査法:患者には閉眼か目隠しをしていただきます。綿棒を用いて皮膚に触り、1cm以上動かしません。顔面から触り、各標的感覚点を綿棒で触られた感覚があるかどうか尋ね、その強さが顔面と同じかどうかを答えていただきます。

肛門知覚:S2〜4の皮膚髄節にあたる会陰部(皮膚粘膜移行部の1cm外側)で感覚検査を行います。知覚が脱落している場合は肛門指診を行い、知覚が存在しているか脱落しているかを評価するようにします。

2.運動機能評価

C5からS1までの10髄節を代表する筋をkey muscleといいます。 Key muscleに6段階の徒手筋力テスト(MMT)を行い、0〜5の得点を記録します。 筋力評価点の合計が運動スコアとなり、残存運動機能を数量的に評価する指標になります。

筋力検査法:仰臥位で、各key muscleをMMTで調べます。

3.神経学的損傷高位

実際に損傷された髄節ではなく、機能が残存している最下位の髄節で表現します。 神経損傷高位は左右対称でないことが多く、C4以上、T2からL1までのkey muscleは存在しません。key muscleが存在しない部分での脊髄損傷の神経学的高位は、知覚検査で診断するようにします。

4.完全麻痺と不全麻痺の鑑別

完全麻痺は最下位仙髄(S4〜5)の運動と知覚が完全に喪失している場合と定義されています。不全麻痺は、知覚不全麻痺で随意的な肛門括約筋の収縮があるか、または損傷高位よりも3髄節以上尾側での運動が保たれていなければいけません。

評価表は、下記を参照ください。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwimyOCooZjSAhXBzbwKHTTIBlgQFggaMAA&url=http%3A%2F%2Fwww.pref.osaka.lg.jp%2Fattach%2F1206%2F00013490%2Fsekisonkeatetyou1.doc&usg=AFQjCNH3IoLGhl3GARyxQsYiJxyZhiRBpg&sig2=oT8a88SSrN-AZadzEWPGtw

ASIAのメリットとデメリット

メリット

・麻痺の高位や麻痺の程度、残存機能を網羅することができます。

・初期の変化をとらえるには便利です。

デメリット

・慢性期では数値が変化しないので、神経学的症状の確認は難しくなります

・慢性期では数値が変化しないので、むしろ神経学的な麻痺の高位を示すこ とが多くなります。


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。