高次脳機能障害で談話障害がある方への対応

はじめに

Tumisu / Pixabay

人がコミュニケーションをとるときは、相手の話を聞きながらその言葉のニュアンスや表情などを読み取りながら言葉の真意を理解したり、複数の人の会話の流れを読みながら話が導き出す内容を感じ取ったり、自分の話がその会話の流れに沿っているのかを意識しながら会話を進めていきます。

これらは個々が無意識にしていることですが、こういった会話の流れが上手くいくことで初めて談話が成り立ちます。

談話とは、意味のあるひとまとまりの会話を指しますが、高次脳機能障害によって会話のバランスや言葉の意味を読み取れず談話を作り出せないような症状が出ることがあります。

これを談話障害と言います。

談話障害の症状

人とコミュニケーションをとる際、話と話の間がスムーズになるよう導いたり、人の言葉に含まれる意味を読み取ったり、自分の話が一連の会話の流れに乗っているかを意識しながら談話は成り立ちます。

こういった談話がうまく出来なくなることを談話障害と言います。

失語症とは異なり、聞いたり話したりすることは出来ていても、適切な返しが出来なかったり、突然会話の流れを妨げるような発言をしたりしてしまいます。

こういった談話障害は、脱抑制であったり、注意障害があったり、遂行機能障害であったり…と、複数の障害が複合的に影響する結果として起こってくることが多いです。

様々な障害が深く関わっているため、とても難しい病状です。

こういった談話障害が起こってくると、複数人での会話の中で1人だけ延々と同じことを繰り返したり、その場に合わない言葉を急に発したり、自身の気になった話を突然始めたり、全く受けないことを1人でいい続けたり…というようになり、周囲があっけにとられたり、引いてしまう…ということが起こってきます。

談話障害の対応方法

談話の最中に、自分の態度により話がうまくまとまらなくなっていることについては、本人は気が付きにくいです。

周りのそういった雰囲気を読み取れないこともこの障害のひとつだからです。

そうなってしまった時には、信頼関係にある人がさり気なく注意をうながすようにしてください。

ただ、『おかしい』『間違っている』というような注意だと、本人は何のことだかわからないため、具体的に正しい言い方や話の流れ・本筋を教えてあげるようにしてください。

例えば、会話中1人だけ話が別のところに飛んでいった時には、『その話も大切だけれど、まずはこちらの話について検討しましょう』『その話はこういうことでしょうか?ではこちらの話はどういうことでしょう?』というように、本人が話し始めた内容については極力否定せず、なるべく自然に話を戻してあげるようにしましょう。

うまく話に入れない時には、『この話についてはどう思う?』と、具体的に答えやすいよう話を振ってあげるようにしてください。

誰かが傷つくような内容を話ししていたり、全く受けないような冗談を1人で言い続けていたりするような時には、さりげなく話題を変えたり、本人に適切でない話をしているという自覚を促すため『そのような話は人によく思われない』ということを伝えてあげましょう。

あまりにも不適切な話が続くようでしたら、はっきりと注意してあげてください。

『もっと空気を読んで』『人が嫌になるようなことは言わない』などというような注意の仕方は、本人にとっても何のことか分かりにくいため、より具体的に注意を促したり指示をだすようにすることがポイントです。

おわりに

談話障害が起こると、人の輪の中でのコミュニケーションが難しくなり、社会的な生活に適応しにくくなります。

高次脳機能障害によるもので本人も無自覚なため、漠然と注意を促したりしても修正しにくい症状です。

より具体的に、選択肢が少なく返答しやすい言葉を選んで注意をうながすようにしてください。

社会生活をおくる上で大きな妨げとなりやすい症状なため、周りから注意を促すように意識して接してあげてください。

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