高次脳機能障害でメタメッセージが解読困難な方への対応

はじめに

geralt / Pixabay

メタメッセージとは、発せられた言葉だけの意味ではなく、裏に隠されたメッセージを指します。

例えば、『明日は○○会議をします』と上司に言われた場合、参加予定者に会議日時の連絡、会議の場所や資料の準備、会議中のお茶出しなどを考慮したりしますが、そういったひとつの言葉に含まれた様々な情報のことです。

このメッセージが読み取れないと、場の空気が読めないと言われます。言外の意味を察知できない、行間が読めない…というように言われることもあります。

ヒトはコミュニケーションの手段として言葉を使いますが、その言葉だけの意味ではないことが多々あるのです。

表情や言葉の抑揚、身振り手振りなどからも様々な情報があり、会話をしながらそういった情報を読み取り、相手の感情や考えを理解しています。

こういった言外の意味を理解できない、感じ取ることが出来ない症状が高次脳機能障害として起こってくることがあります。
そのような症状は、メタメッセージ解読困難と言われることがあります。

メタメッセージ解読困難の症状

文章で書くと同じ言葉でも、実際に言葉に発すると様々な意味を持つことが多々あります。

『明日までに○○をやらないといけない』という言葉を文に書くとただその意味に感じますが、笑いながら余裕のある感じで言っている人はそれが簡単に出来ることなのかと感じますし、慌てているような様子で言っている人に対しては、やらなければいけないことが到底終わりそうにない雰囲気を読み取れます。

このように、言葉を受け止める側は言葉に付随する様々な情報を読み取りながら相手の状況や感情を読み取り、その言葉の意図を解釈しています。

つまり、文字通りのメッセージだけではなく、そのメッセージに含まれるメッセージがあるのです。

こういったメッセージに含まれるメッセージをメタメッセージと言います。

しかしながら、高次脳機能障害によって、メタメッセージが読み取れなくなることがあります。

そのため、相手の気持を読んだり場の雰囲気を察知して動くことが出来なくなります。

いわゆる『空気が読めない』状態です。

また、言葉を文字通りにしか読めないため、相手の言葉に対して言葉そのままで返すことから固く理屈っぽいという印象を持たれたり、相手の揚げ足を取っているように受け取られることがあり、対人関係がギクシャクしてしまいます。

特に日本人は、一つの言葉から様々な情報を読み取り行動するのを美徳としており、それが出来ない人はスマートなコミュニケーションが出来ない人という認識を持たれます。

相手の感情などをメタメッセージから読み取り動くこと…最近の流行語で言えば、忖度出来ることは良好な人間関係を構築する上で必要なスキルです。

メタメッセージ解読困難な状態になると、あの人は病気や怪我をしてから人が変わった、付き合いにくくなった…と周りの人から思われてしまうことが多々あります。

人間関係がうまくいかなくなり、社会生活が難しくなってしまいます。

対応のポイント

相手の感情などを理解しようとメタメッセージを読み取るのは簡単ではありません。

そのため、このような症状が出ている場合には周囲の人に正確な理解を求める必要があります。

家族、職場の同僚や上司、親しい友人や知人など日常的に接する人には、言葉を言葉のままに受取り、含ませたメッセージは読み取ることが出来ないため、丁寧に説明を要することを伝えます。

メタメッセージを読み取ることは難しいため、読み取るという負担を極力周囲が意識して減らしてあげるようにしてあげてください。

初対面の人や親しくない人との関係構築はなかなか難しくなりますが、そういった人との接する機会は絶対的に少ないため、とりあえずは身近な人との関係をうまくやることに重点を置いてみましょう。

リハビリや診察室で『空気が読めないと言われるけれどどうしたら良いか』という声を聞くことがありますが、メタメッセージを読むというのはかなり難易度の高いことなため、周囲の人への理解・協力を呼びかけるようにしてくださいとお答えすることが多いです。

メタメッセージの解読については、身近な人から慣らしていき、長期的に構えるようにしてください。

おわりに

メタメッセージ解読困難に対しての対応は、まずは周囲の理解と協力が必要不可欠になります。

言葉を言葉のままにしか受け取れないため、含みを持たせず言葉のまま受け取れるようにしてあげなければなりません。

場数を踏んでいくことで変化が出てくることもありますので、コミュニケーションを取るのを避けようとせず、接してあげるようにしてください。

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