病識欠如とは?症状と対応方法を解説!

はじめに

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病識欠如とは、その名の通り自身の症状に気付いていない状態です。認知症の人ではほぼ100%見られる症状ですが、高次脳機能障害でもよく起こります。

目に見えない障害とも言われる高次脳機能障害は、周りの人がパッと見ただけではその症状に気がつかないという意味だけでなく、障害者自身にも見えていない障害であることが多々あるのです。

病識欠如の症状

高次脳機能障害では、こうした自身の症状に気付いていない、病識欠如の状態がよく起こります。脳損傷後の後遺症としては珍しくない状態です。

つい先程の出来事すら忘れてしまうのに、問題はないと思っていたり、注意障害でやるべきことが十分出来ていないのに全て完璧に出来たと言ったり…と、自身の症状に全く気づいていない状態になります。
自分自身に対しての認知機能が低下している状態であるともいえます。

また、そういった自身の症状を認めたくないというような心理的側面も影響していることも多々あります。
病識の欠如があることにより、本人による問題点に対しての対応が難しくなり、社会生活を送る上での大きな障害となります。
何もかも正確に出来ていると思っているため、周囲の人から注意を受けても納得ができず対人関係のトラブルにも発展しやすいです。

自身が自身の症状があることに気付けないため、本人が代償的な手段を使ったり補助的なツールを使ったりすることも出来ません。
病識欠如は、社会生活を送る上では大きな妨げとなる症状のひとつです。

病識欠如の対応方法

病識欠如により、自身がしたことの結果が間違っていたり、不十分である…ということを知るためには実体験によって知ることが一番です。

しかし、社会生活にいきなり入り、ミスを繰り返すことになると大きな問題になります。そのため、訓練という場で様々なシチュエーションの中でそういった体験をしてくことが必要になります。実際に何かをした時に間違ったり不十分だったりすることがあれば、その場でフィードバックをして理解を促します。

その場でのフィードバック(専門的には『リアルフィードバック』と言います)がないと、その間違った体験の意味を理解出来ず、ただ間違えただけの無意味な体験になってしまいます。

こういった実体験は、リハビリや専門施設で実際に行うことが出来ます。
様々な体験と、その都度リアルフィードバックを繰り返していくことで、自身のしていることに対してある程度認識を持てるようになります。

少しでも認識が持てるようになると、自身のために訓練をすべき意味を見出すことが出来ますし、メモやスケジュール帳の活用も理解ができるようになるでしょう。

自分自身の状態を認識することが訓練の場で行う重要な項目であり、それが出来ることは社会生活への第一歩へとつながります。

おわりに

病識欠如は、本人が自分自身の症状について気付いていない、理解していない、認識しようとしない状態です。自分自身の行動が間違っていることに気がつけないため、社会生活をおくる上でも大きな妨げとなります。

症状が認識できていないため、補助的なツールなどもうまく利用できないことも難しい症状です。
自身の症状についての認識を高めるためには、訓練の場で疑似体験を積み重ね、自分がどのような時にどのように間違えるのか、何が不十分なのか…ということを認識していく必要があります。

そういった認識を持つことで、自分の行動に少しでもエラーが起こらないように気をつけたり、補助的なツールを活用する事が出来るようになります。

まずは自分自身の病態に少しでも気付いてもらえるように訓練をしていくことが大切です。

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