地誌的失見当(地誌的見当識障害)とは?症状と対応方法を解説!

はじめに

krasnokub / Pixabay

地誌的失見当とは、いわゆる道に迷う症状です。

高次脳機能障害としては比較的よく起こる症状で、1人で行動するのが難しくなるため日常生活に支障をきたし、社会復帰に影響を及ぼしやすいです。

一言で地誌的失見当と言っても、パッと見た症状としては様々な高次脳機能障害によってそのような症状は起こってくるため、一概に対処しにくいこともポイントです。

地誌的失見当の症状

一言で道に迷うと言っても、症状は様々です。
ひとつの認知機能低下によって起こるわけではなく、様々な高次脳機能障害によって起こってくるからです。
半側空間失認や視空間認知障害によって起こってくることもあれば、記憶障害によって道順を覚えられないためにそのような症状が起こってくることもあります。

注意障害によって、目印を見落としてしまい道に迷いやすくなることもあります。

そういった多種多様な高次脳機能障害によって、『道に迷う』という症状は起こりやすい一方で、純粋に道に迷うような高次脳機能障害もあります。

ひとつは街並失認といわれるもので、見慣れたはずの場所でも初めて行った場所のようにどこなのかがわからなくなるような症状です。

もうひとつは道順失認といわれるもので、目印となる建物や標識、看板などは理解できていても、そこからどちらの方向へ行ったらいいのかがわからない、目的地との位置関係が把握できなくなるため、たどり着くことが出来ないというような症状を呈します。
一般的に、地誌的失見当と言ったら、この2つの症状を指します。

これらは記憶障害や空間認知の障害、注意障害とは違うものと考えられています。

街並失認や道順失認と行った道に迷う症状は、古くから関心が持たれ、様々な研究が積み重ねられてきています。

地誌的失見当の対応のポイント

高次脳機能障害者は、自身にそういった症状が起こっているということを認識できていないため、道に迷っているという実感が起こっていないことが多々あります。

そのため、いきなり一人で外出をするというのはハードルが高いです。

最初は外出時には支援者や家族が後ろからついていったりして、正しい道を辿れているかを確認しましょう。

慣れ親しんだ道でも最初は難しいかもしれませんが、きちんと目的地に正しい道順でたどり着くことが出来ればOKです。

しかし、時間帯や天気などによって見ていた風景が変わることでまた迷ったりすることもあります。

また、昨日までは分かっていた道が急にわからなくなる…ということが起こるのも地誌的失見当ではありえるので、注意が必要です。

そういった時の対処法として、ルート表を常に身につけておくことが有効です。

ルート表とは、地図よりもより具体的に道順を示してあるもので、目的地まで行くために目印となる建物や看板などがなにか等を文章や図で事細かに書いたものになります。

わかっているという道でも、必ずそのルート表を確認しながら動くことで道に迷いにくくなります。

高次脳機能障害全般に対しての対応ポイントは、『ルールに従う』ということが挙げられます。

ルート表を必ずチェックしながら動く…というルールに従って動くことが地誌的失見当の場合はとても大切になってきます。

それでも困ったときの対処法として、お助けカードというものを作成しておきます。

対処法を書いておくものですが、忘れないようにルート表とともに携帯して置けるように準備しておきましょう。

例えば、困ったときに対応してくれるような相手の電話番号などを示しておいたりしましょう。

こういった道に迷うことは、私達が普通に生活をしていても起こることです。

では、そういった時に私達はどのように対処しますか?

普通は、周りの人に道を聞いたりすると思います。

しかし、高次脳機能障害の人は人に助けを求めるということがとても難しかったりします。

それは、困ったという認識が薄いということもありますが、自身がそういった状況になっているということ人に知られたくないという気持ちがあることもあります。

高次脳機能障害の人にとって、他者に助けを求められるということは、社会生活を行う上でとても大切なことです。

第三者に助けを求められるということを訓練の目標に掲げることも少なくありません。

道に迷った時には、そばにいる歩行者やお店の人、交番、駅なら駅員などに尋ねるだけでなく、携帯電話などで身近な人に道を確認してもいいでしょう。

それ以外でも、繰り返し同じ道を行くことで覚えられることも少なくありません。
その道を習慣化してしまうのです。
繰り返して習慣化することは、地誌的失見当以外でも使える手なので、よく覚えておくと良いでしょう。

おわりに

道に迷うという地誌的失見当は、空間認識や注意、記憶などの障害といった様々な高次脳機能障害によって起こります。
複合的な障害によって起こってくることもポイントですが、特に街並失認や道順失認といった症状を呈することがあります。
こういった障害に対する対応としては、繰り返して習慣化することや、ルート表などの活用といった対応をしていく必要があります。
また、分からなくなったら第三者に道を聞いたりするということが出来るようにしていきましょう。
社会生活をおくる上で大きな問題となる症状なため、本人への認識も含めてしっかりと対応するようにしていきましょう。

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