運動学とは



運動学とは

運動学(kinedology)とは、生理学、機能解剖学、物理学、心理学などに基盤を置く「人間の活動(運動)を対象とした応用科学のことをいいます。

明瞭な定義はありませんが、実際には下記のような範疇が扱われています。

  1. 機能解剖学:運動に関係する人体の形態と機能の相互関係を扱う
  2. バイオメカニクス:古典力学やエンジニアリングを用いて人間の運動を分析する
  3. 運動神経生理学 i運動を神経生理学的に扱う
  4. 運動心理学:運動や運動学習を心理学的階層で扱う
  5. 運動生理学:運動を代謝などの生理学との関連で扱う
  6. 発達運動学:運動と成長,発達,栄養,加齢などの関係を扱う

この範疇に隣接あるいは重複し、リハビリテーション医学にとって必要な科学として、認知心理学などの認知科学があります。

人間の行動を扱う科学としては、行動科学(behavior」sciences)という領域が存在し、リハビリテーシヨン医学とも密接に関係しますが、「行動」という名称とは裏腹に、人の行動のもとにある心理学的事象の理解に力点を置いた科学的範疇とされることが多く、運動学とは守備範囲が異なります。

人の安楽立位を側面(矢状面)から観察すると、その重心線は、股関節の後方、膝関節の前方、足関節(距腿関節)前方で足部中央を通り、重心によって生じる力(モーメント)は、股関節伸展、膝関節伸展、足関節背屈に働いています。


このような姿勢が安楽な理由としては、股関節伸展方向は腸骨大腿靭帯によって、膝関節伸展方向は前十字靭帯をはじめとする複数の靭帯によって運動が制限されるため、姿勢維持のために筋活動を必要としないからです。

足関節だけは背屈に抗するためのヒラメ筋活動を要しますが、この筋は赤筋で疲労抵抗性が高い筋です。

ヒトの活動を、重力、慣性力、外界との接点など、外界との関係性を踏まえたうえで眺めると、きわめて合理的な方略を取っていることがわかります。


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