注意障害の種類と症状に対するリハビリテーション

【高次脳機能障害による注意障害とは】

sasint / Pixabay

脳血管障害を患うと、以前よりも様々な物事に対して注意が払えなくなったと周囲の人が感じることがあります。これは『注意障害』という高次脳機能障害のひとつです。
その名の通り注意力の低下ですが、高次脳機能障害として起こる注意障害は、正常範囲から逸脱した注意力の低下がみられるようになります。
例としては、何かをしていてもすぐに他のものに意識がそれる、いくつかのことを同時に行えない、物事から物事への切り替えがスムーズに出来ないなどといったことが挙げられます。特に右脳に障害が起きた人(症状としては左片麻痺の人)に現れやすい症状です。
一言に注意障害といっても、様々な種類があります。

【持続的注意障害】

持続的注意障害とは、一つの事象に対して集中して取り組む力の障害を指します。日常生活の上では、一つの仕事を区切りまで集中して行ったり、人との会話に集中して対応出来ることなどに持続的注意が使われます。何かをしていてもすぐに意識がそれたり、他のことを始めたり、ぼーっとしてしまったりするため、飽きっぽくなったなというように見えることがあります。

注意を集中することが出来ないため、ひとつのスケジュールを細切れにして集中しなければいけない時間を短くしたり、休憩を多くとるようにします。障害の度合いによりその程度も異なるので、出来ることを見つけて本人が取り組めることからやってみましょう。

【選択的注意障害】

選択的注意障害とは、複数の情報の中から必要な情報を正しく選ぶために払われる注意に障害が起こることをいいます。日常生活の上では、買い物時に正しい金額のお金を選ぶのを間違えたり、自分が行きたい階を間違えたりといった症状が起こります。気が散りやすく、見落としたり聞き落としたりすることが増えます。

選択すべきものが多いほど難しくなるので、指示はシンプルにしましょう。周辺環境も迷うことがないようになるべくシンプルにし、余計な情報を減らしましょう。

【分配的注意障害】

分配的(分割的)注意障害とは、複数の物事を同時に行うことができなくなる障害を指します。例えば、運転しながら会話をしたり、料理中に2つのお鍋を同時に火にかけたりといった、2つの事象それぞれに注意を払うことが難しくなります。注意の分配に障害が起こると、複数人での会話が難しくなったりすることもあり、本人も精神的に辛くなったり、周囲の人も違和感を覚えることが増えるでしょう。

なるべく同時に物事を行わないように環境を整えましょう。周囲の人も極力気を配ってあげる配慮をしてください。混乱したら、頻回に質問したりすることを習慣づけましょう。

【転換的注意障害】

転換的注意障害とは、一つの事象から次の事象に注意を切り替えることが難しい障害を指します。日常生活の中では、本を読んでいる最中に電話が鳴り、電話に出た後また本に戻るというような動作の切り替えが難しくなります。電話に気付かなかったり、電話の後に読んでいた本のことを忘れてしまったりします。歯を磨いた後に口を濯ぐといった当たり前のことも出来なくなることがあります。こうした注意の切り替えは、日常の中では多々起こることなので、様々な動作がスムーズに行えなくなり、本人も周囲も戸惑いやすい障害です。

まずは障害を周囲も理解し、なるべく注意がスムーズに切り替えなければいけないような環境をなくしていくようにしましょう。また、注意の転換がしやすいような目印を作るようにしましょう。

【注意の容量の障害】

上記のような様々な注意障害とつながるところもありますが、根本的に様々な事柄に対して払える注意の量が減ってしまうことが注意の容量の障害です。一度に出来ることが減ったり、スピードが落ちたりといったことが全体的に起こってきます。スピードも正確性も落ちるため、本人も動揺することが増えます。

一度にたくさんの物事を処理しようとせず、少しずつ進めましょう。

【まとめ】

上記のような症状は、一般の人でも思い当たるところがあるような症状かもしれません。しかしながら、病的な注意障害は、明らかに注意が落ちているとわかります。本人が気づかないことも多々あるため、周囲の人がその障害をよく理解し、周辺環境を整えたり、対応の仕方に気をつける必要があります。物事がスムーズに行えなくなるため、危険も伴う障害なので、よく注意して対応してください。

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