基本動作とは
基本動作とは、日常で行われる基本的な一連の動作のことをいいます。基本姿勢、体位変換動作、移動動作の要素からなり立ちます。 基本動作は、それ自体は目的をもった行為ではなく、個人の日常生活上の活動や行為 (Activities of Daily Living:ADL) を遂行するための手段として利用された場合に機能し、意義をもつとされています。
基本姿勢
背臥位、腹臥位、座位、膝立ち位、立位など。
体位変換動作
寝返り、起き上がり、立ち上がりなど。
移動動作
背臥位での横・縦移動、四つ這い移動、膝歩き、歩行な ど。
基本動作の評価
自立度(介助・監視、装具・杖の有無)、動作パターンなどに着目して評価します。 基本動作の評価の一つに基本動作指標(Basic Movement Scale: BMS)があります。
基本動作指標(BMS)とは
基本動作指標 (Basic Movement Scale: BMS)は、生活の中で基盤となる動作 (基本動作)を測定する指標です。
BMS version1 は、寝返りや乗り移りなど 9 項目の基本動作で構成されています。
BMSは、上肢活用有無による動作遂行可否および5点から 1点の5段階評定を判定尺度に用いるとともに、イラストによる動作の視覚化によって使用者および第三者の理解が得られやすい特徴があります。
基本動作指標(BMS)の測定基準 基本動作指標(BMS)では、寝返り、起き上がり、端座位保持、立ち上がり、立位保持、着座、乗り移り、足の踏み返し、歩行の Capacityを判定します。
Capacity は、リハビリ室など一定の環境において対象者が動作を意識した上で当該動作が「でき るか」「できないか」を指します。
また、普段の実行状況 (Performance) による測定では、生活環境や使用道具などで動作レベルに個人差が生じるため、区別する必要があります。
寝返り・起き上がり・足の踏み返しの3項目には、動作方向が2通りありますが、BMSでは日常的に最も多く行う方向を実用側、それとは反対方向を非実用側としています。
基本動作指標(BMS)の判定尺度
BMSの判定尺度は、5点から1点の5段階評定からなり、5 点に近づくほど能力が高く1点に近づくほど能力が低いことを指します。
基本動作指標(BMS)の得点と区分
5:上肢を使わなくてもできる
4:上肢を使わなくてもできるが毎回ではない
3:上肢を使うとできる
2:上肢を使うとできるが毎回ではない
1:できない
基本動作指標(BMS)の使用で期待できる効果
BMSでは、以下のような使用効果が期待できます。
- 対象者の経時的変化を把握しやすい。
- 治療目標が明確になる。
- 治療成果が明確になる。
- 医師や看護師など多職種間での情報共有に活用できる。
- 対象者とその家族への説明などに活用できる。
BMSのマニュアルと評価用紙
BMS使用マニュアルはこちらからダウンロードできます↓
http://www.imorimo.com/assets/pdf/bms_manual.pdf
評価用紙はこちらからダウンロードできます↓