発話明瞭度の評価尺度と自然度の評価尺度について

発話明瞭度の評価尺度

1 よくわかる
1.5 1と2の間
2 ときどきわからない語がある
2.5 2と3の間
3 聞き手が話題を知っていればわかる
3.5 3と4の間
4 ときどきわかる語がある
4.5 4と5の間
5 全くの了解不能

発話の自然度の評価尺度

1 全くの自然である(不自然な要素がない)
2 やや不自然な要素がある
3 明らかに不自然である
4 顕著に不自然である
5 全く不自然である(自然な要素がない)

 

ディサースリア(運動性構音障害)の重症度は、連続的な発話で、気がつくほどの軽症なものから、発話が全く不能なほど重症なものまで様々です。

一般的には、発話明瞭度が発話機能の総合的な重症度を判定する指標とされています。

発話明瞭度とは「発話の了解度」と定義されていて、口頭コミュニケーションの伝達能力の程度を示します。

発話明瞭度として、単音節明瞭度、単語明瞭度、会話明瞭度の各パラメーターがしばしば用いられます。

発話の重症度に関与するもう一つのパラメーターは、自然度です。

発話の自然度とはプロソディーに関する全般的な適切度のことであり、聞き手にとって標準的な発話速度、リズム、イントネーション、ストレス・パターンから逸脱している程度が著しいほど、発話は不自然であると聴覚的に印象づけられます。

発話は明瞭なのに、きわめて不自然な話し方をするディサースリア例もあることから、明瞭度だけで重症度を判定する方法が必ずしも的確であるとはいえません。

近年、明瞭度と自然度(異常度)の和で重症度が表されることが多いです。

自然度の評価尺度は、標準ディサースリア検査(AMSD)に含まれている「発話の自然度の評価尺度」があり、信頼性が保障されています。

発話における明瞭度と自然度との関係は、ディサースリア(運動性構音障害)のタイプによって異なります。

ほとんどのタイプでは自然度の方が明瞭度よりも低下し、特に、弛緩性ディサースリア、失調性ディサースリア、運動過多性ディサースリアでは明瞭度に比べて自然度の低下が日立ちます。

これに対して、運動低下性ディサースリアでは、若干ではあるが明瞭度の方が低い傾向になります。

痙性ディサースリアに関しては明瞭度と発話の自然度の双方で群を抜いて低く、発話機能が全体的に著しく重症化する傾向が明らかです。

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