もうろう状態とは?
眠りから目が覚めた時など、私達も意識がもうろうとしている…というような表現を使うことがありますが、意識障害のひとつであるもうろう状態もそのような状態です。
しかし、私達は目覚めが悪くてボーッとしてしまっているからといって、その際に抑制が外れたような行動をしたりすることは殆どありませんが、病的なもうろう状態の場合は、意識がはっきりしないことによって様々な行動を起こしてしまうことがあるので厄介です。
意識の広がり・質の障害、意識水準の軽い低下(明識困難状態又は意識混濁)を呈し、行動や言語が一時的に異常を起こすような状態をもうろう状態と言うのです。
もうろう状態の症状
もうろう状態とは、目の前のものは認識できるけれど、意識とそれらが結びつかずに全体としての把握が出来なくなってしまっている状態です。
ヒステリーやてんかん、アルコール依存などで起こりやすい症状です。
意識がはっきりしないことによってじっとして動かなくなる人もいれば、急にフラフラ動き回ったり大声を出したりするような異常行動を呈する人もいます。
重症になると、夢遊病のような症状が起こってきたりもします。
これらはその症状によって様々ですが、数分で治まる場合もあれば数時間に渡ることもあります。
2012年に京都・祇園で軽ワゴン車が暴走した事故も、てんかん発作によりもうろう状態になって起こったものです。
これらの特徴として、もうろう状態の時に起こした行動は、意識がはっきりしたときにはほとんど覚えていないということが挙げられます。
もうろう状態の対処方法
もうろう状態の特徴として、症状が起こっていたときのことを意識が回復した際に殆ど覚えていないということがあります。
そのため、本人だけでは対処をするのがとても難しい症状です。
てんかんのような病気が根本にある場合はそちらの治療が優先されます。抗てんかん薬やホルモン療法、食事療法などが用いられることが多いようです。必要ならば、手術という選択肢が選ばれることもあります。
てんかんの発作はもうろう状態だけでなく、欠神発作(完全に意識消失して倒れるような状態)や強直発作(全身の筋肉がこわばる状態)、脱力発作(全身の力が抜けてしまう状態)など危険な発作が起こることもあるため、もうろう状態以外にも注意しなければいけないことが多々あることを忘れないように対応しなければなりません。
アルコール依存症の人でも多くこのような症状が起こります。
急性アルコール中毒の場合は、身体的な治療のみで意識状態については経過観察となりますが、依存症の場合はまずアルコールを止めた上での薬物療法が有効と言われています。
ヒステリーのような精神疾患については、向精神薬を使って対応するようです。
拘禁状態などの強いストレスから起こることもあります。
そういった外的因子から起こってくるような症状であれば、まずは環境調整と心理的な治療が必要になります。
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