コース立方体組み合わせテスト(Kohs block-design test)

コース立方体組み合わせテストとは

  • 1 辺 3cm の木製立方体を組み合わせて、難易度順に並べられた 17 種類の模様を作る課題からなります。 出来上がるまでの所要時間と模様図の達成度を測定して、知能指数を算定します。
  • 評価は主に、作業療法士、言語聴覚士、臨床心理士などが行います。評価場所は可能であれば集中できる個室などで行うと良いでしょう。
  • コース立方体組み合わせテストは、言葉の理解や表出が難しい失語症の患者に対して行うことができる検査です。このテストのみで正確な知能指数を測定することは困難ですが、構成課題を通して、目標達成における解決能力や判断力を知ることができます。
  • 構成障害を認める方は、衣服の構成がわからなくなるということ以外にも、階段昇降やエスカレータの昇降が難しく恐怖心を感じる方もいるようです。障害の程度によって支援方法も違うため、現場のスタッフはセラピストと相談し、協働して適した援助ができるようにしていくと良いと思われます。

対象者

6 歳〜成人の聴覚・言語障害者、高齢者、脳血管疾患の後遺症患者、精神発達遅滞が疑われる方

メリット

  • 非言語性の課題のため、言語・聴覚障害者に対して用いることができます。
  • 検査方法は簡便であり、苦痛を与えず負担も軽いです。
  • 採点は簡単で短時間で行うことができます。
  • 検査器具が安価で持ち運びしやすく、検査に熟練を要しません。

デメリット

  • 視空間認知の障害や構成障害では、予測される知能指数よりも低値となります。
  • 視覚障害者や両上肢に障害がある者には適応しません。
  • この検査では、知能指数のなかでも動作性 IQ しか測定できないため、知能指数の参考程度に考えておく必要があります

    評価方法

検査の構成

  • 1 辺 3 cm の木製立方体(各面は赤、白、青、黄、赤と白、青と黄に塗り分けられている)を組み合わせて、難易度順に並べられた 17 問の模様を制限時間内に作るテストです。
  • 用いる立方体の数はテストNO.1 〜 9 は 4 個、NO.10、11 は9 個、NO.12 〜 17 は 16 個となります。

実施方法

  1. 検査者は、立方体のひとつひとつが皆同じに作れており、さまざまな色がついていることを説明します。 まず練習用模様図を示して、それと同様に並べ、同じ模様ができるように 4 個の立方体を組み合わせればよいことを説明します。
  2. その後、被験者に練習していただき、うまくできれば本検査に入ります(3 回繰り返しできない場合には中止となります)。
  3. 模様図 NO.1 から実施し、「用意、はじめ」と、合図で模様図を見せ、テストを開始します。
  4. 検査者は開始と同時に終了までの時間を測定します。制限時間を超えた場合は、テストを打ち切って次に進みます。
  5. テストNO.2以下も同様に行います。被検者が続けて 2 つのテストに失敗すれば、それ以降のテストは不能とみなして中止します。

採点方法

総得点を算出する

テスト遂行に要する所要時間によって得点が与えられ、最後に合計して総得点を算出します。所要時間と得点は評価用紙に記載されています。制限時間内に遂行できなければ得点を与えられません。

知能指数(Intelligencequotient;IQ)を算出する

得られた総得点を検査の手引の別表にあてはめ、精神年齢(Mental age;MA)と暦年齢(Calendar age;CA)を求めます。

IQ は、「IQ =精神年齢(MA)÷暦年齢(CA)× 100」の計算式にあてはめて算出します。

病変による構成障害の特徴

大脳半球の損傷側や損傷領域の違いによって構成障害の誤り方が質的に異なるとされています。

左半球損傷による構成障害の特徴

左半球損傷の場合、実行手順の適切な段取りや計画の困難さがみられます。

積木模様の外側の輪郭はうまく構成されますが、内側の模様の細部の構成に困難さを示されます。

模様の再現が不正確である場合に、誤りに気づくことが多いと言われています。

右半球損傷による構成障害の特徴

右半球損傷の場合、秩序立てて組織的に行うことが困難となります。

単純な形よりも、複雑で立体的な形の構成に困難を示しやすく、図案模様の内側の特徴は保持されますが、外側の輪郭の崩壊がみられる場合があります。

積木模様が歪んでいたり不正確であっても、誤りに気づけない場合が多いと言われています。

前頭葉損傷における構成障害の特徴

空間を把握する能力は保たれていますが、衝動性亢進・発動性低下・保続などの影響を受けます。

衝動性が亢進している場合には、手本をよく見ずに構成行為を開始したりする姿がみられます。

発動性低下の場合にはうながされても構成しようとしないなどの場面がみられます。

テストを行うことで、知能測定だけでなく、課題の遂行過程から病態を理解することもできるため、誤り方の特徴をとらえることも重要となります。

参考文献

参考文献

1)Kohs, SC.コース立方体組み合わせテスト使用手引.大脇義一編.京都,三京房,1959.

2)坂爪一幸.“ 構成障害 ”.よくわかる失語症と高次脳機能障害.鹿島晴雄ほか編.大阪,永井書店,2003,306-14.

3)鎌倉矩子.“ 構成障害およびゲルストマン症候群 ”.高次神経障害.鎌倉矩子ほか編.東京,協同医書出版社,1993,91-9,(作業
療法学全書 作業療法学,5).

4)Piercy, M. et al.Constructional apraxia associated with unilateral cerebral lesions:left and right sided cases compared.
Brain.83,1960,225-42.

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