「うちの子、とにかく落ち着きがない…」「公園に行っても走り回ってばかりで目が離せない」「外出先で手をつないでくれなくてヒヤヒヤする…」
子育てをしていると、お子さんの元気いっぱいな行動に、時に戸惑ったり、悩んだりすること、ありますよね。特に、周りの子と比べて動きが激しかったり、なかなか言うことを聞いてくれなかったりすると、「どうしてだろう?」と不安になったり、ついイライラしてしまったり…。
でも、ちょっと待ってください。その行動、もしかしたらお子さんなりの理由があるのかもしれません。特に、発達に特性のあるお子さんの場合、その活発さやこだわりは、成長過程や感覚の特性からくるものかもしれません。
今回は、そんなお子さんの「気になる行動」に、どう寄り添っていけばいいのか、いくつかのヒントをご紹介します。
悩み1:「動きがとっても激しい!」エネルギーを持て余している?
子どもは元来、体を動かすのが大好き!特に幼児期は、自分の気持ちや衝動をコントロールするのがまだ難しい時期です。じっとしているのが苦手で、つい動き回ってしまうのは、ある意味自然なこと。無理に押さえつけようとすると、かえってストレスを感じさせてしまうこともあります。

<寄り添うヒント>
- エネルギー発散の場を作ろう!
- 公園など、安全な場所で思いっきり体を動かせる時間を作りましょう。一緒に体を動かすことで、親子のコミュニケーションにもなります。
- 体を動かす経験を通して、自分の体をコントロールする力(体幹)が育ち、徐々に落ち着きにつながることもあります。
- 大人は冷静に、ペースを見守ろう
- 危険がない限り、ある程度自由に動き回ることを許容してあげましょう。「ダメ!」と頭ごなしに否定するのではなく、「ここでは少し静かにしようね」と具体的に伝えたり、場所を変えたりする工夫を。
- 多動の特性は、成長とともに落ち着いてくることも多いと言われています。焦らず、長い目で見守る姿勢も大切です。
- 「危ない!」その前に、先回り
- 「あ、走り出しそうだな」という気配を感じたら、「危ないよ!」と叱る前に、「こっちだよ」「歩いて行こうね」と優しく声をかけ、行動を促してみましょう。
悩み2:「手をつなぐのを嫌がる…」もしかして感覚が過敏?
外出時、安全のために手をつなぎたいのに、全力で嫌がられる…これもよく聞くお悩みです。何度言っても振り払われたり、泣き出してしまったりすると、親御さんも困ってしまいますよね。
これには、もしかしたら「感覚過敏」が関係しているかもしれません。人に触られることに不快感を感じたり、特に暑い日などは汗で手がべたつくのが嫌だったりする子もいます。
<寄り添うヒント>
- 無理強いはしない
- どうしても手をつなげない場合は、無理強いするのは避けましょう。
- 代替案を試してみる
- お気に入りのぬいぐるみやミニカーなど、何か「持つもの」を渡してみましょう。片手がふさがることで、少し落ち着いたり、飛び出しにくくなったりすることがあります。
- 具体的な指示を心がける
- 「止まって!」ではなく、「あそこの椅子に座ろうか」など、どうしてほしいのかを具体的に伝えてみましょう。目的地が見えると、歩く意欲につながることもあります。
- 安全確保のためのアイテムも検討
- どうしても飛び出しなどが心配な場合は、子ども用のハーネス(迷子紐)を使うことも選択肢の一つです。最近では、リュックタイプなど、一見ハーネスとは分かりにくいデザインのものもあります。
焦らないで、ママ・パパも無理しないで
子どもの行動一つひとつに、「どうして?」と考え、対応していくのは本当に大変なことです。気力も体力も使いますよね。
大切なのは、保護者の方が自分を責めないこと。「私の育て方が悪いのかな…」なんて思わないでくださいね。お子さんの行動は、その子の個性や発達段階のあらわれです。
そして、一人で抱え込まないこと。困ったときは、パートナーや家族、園の先生、そして専門機関などに相談してみてください。客観的なアドバイスをもらえたり、サポートを受けられたりするだけで、心が軽くなることもあります。
少し肩の力を抜いて、「まあ、いっか」と思えるくらいの「いい加減さ」も時には必要です。お子さんのペースに合わせながら、できたことをたくさん褒めて、自信を育んでいきましょう。
今日ご紹介したヒントが、少しでもお役に立てれば幸いです。
コメント