ながら作業でミスが続く? その原因は「配分性注意」かも
「料理をしながらテレビを見る」「運転中にナビを確認する」――現代社会では、私たちは常に複数のタスクを同時にこなしています。しかし、そんな「ながら作業」でミスが増えたり、思った以上に疲れやすかったりしませんか?
その原因として考えられるのが、「配分性注意」の低下です。
配分性注意とは?
配分性注意とは、複数の作業や情報に同時に注意を向ける能力のこと。つまり、「マルチタスクをこなす力」と言い換えることもできます。
例えば、
料理中に複数の料理を同時進行で作る
運転しながら、周囲の状況に注意を払い、ナビの指示を確認する
会話をしながら、相手の話を理解しつつ自分の意見をまとめる
これらの行動は、配分性注意が正常に機能しているからこそ可能になります。
配分性注意が低下するとどうなる?
配分性注意が低下すると、次のような影響が現れます。
複数の作業を同時に進めるのが難しくなる
一つの作業に集中すると、他の作業が疎かになる
会話の内容を理解しづらくなる
運転中に注意散漫になりやすい
ミスが増える
「同時進行で作業すると、どれも中途半端になる」「会話をしていても内容が頭に入ってこない」と感じることが増えたら、配分性注意が低下しているサインかもしれません。
配分性注意が低下する原因
配分性注意の低下には、さまざまな要因が関係しています。
脳の損傷(外傷性脳損傷・脳卒中など)
発達障害(注意欠如・多動性障害(ADHD)など)
精神的な問題(うつ病・統合失調症など)
加齢による影響
疲労やストレスの蓄積
薬の副作用
もし「最近、集中力が落ちてきた」と感じるなら、一度生活習慣を見直してみるのもいいでしょう。
配分性注意を鍛える方法
配分性注意は、適切なトレーニングや工夫を取り入れることで改善が期待できます。
複数の作業を同時に行う練習をする(簡単なことから始める)
作業の優先順位を明確にする(TODOリストを作成する)
時間制限を設ける(ポモドーロ・テクニックなどを活用)
適度に休憩を取る(集中力の持続時間を意識する)
専門家のアドバイスを受ける(医師・作業療法士・言語聴覚士・臨床心理士など)
無理にマルチタスクをしようとせず、タスクを整理して一つずつ確実にこなすことも、配分性注意を維持するために重要です。
配分性注意の改善のためのプリントはこちら
まとめ
配分性注意は、私たちの日常生活の質を左右する重要な能力です。もし最近「ミスが増えた」「注意が散漫になった」と感じるなら、無理をせず、生活習慣を見直したり、専門家の意見を取り入れることを検討してみましょう。
配分性注意を鍛えて、よりスムーズにタスクをこなせるようになれば、仕事や日常生活の効率もアップするはずです!
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