「あいさつ」「ごめんなさい」が苦手な子へ:叱る前に試したい、親ができるサポート

「うちの子、なかなか挨拶ができなくて…」 「悪いことをしても『ごめんなさい』が言えないんです…」

子育てをしていると、そんな悩みにぶつかることがありますよね。特に、発達に特性のあるお子さんの場合、挨拶や謝罪といったソーシャルスキルにつまずきを感じやすいことも。

つい「どうして挨拶しないの!」「ちゃんと謝りなさい!」と叱ってしまいがちですが、実はそれ、逆効果になってしまうこともあるんです。

今回は、お子さんが気持ちよく「あいさつ」や「ごめんなさい」を言えるようになるために、親御さんができるサポート方法を考えてみたいと思います。

挨拶は「楽しいもの」と伝えよう!叱るより「見せる」工夫を

なぜ叱るのはNG? 「あいさつしないとダメでしょ!」と繰り返し叱られると、お子さんにとって挨拶は「やらなきゃいけない、面倒なこと」「叱られる嫌なこと」になってしまいます。

どうすればいい? まず大切なのは、「あいさつって、本当は気持ちがいいものなんだよ」「挨拶すると、人と仲良くなれて楽しいよ」というポジティブなメッセージを伝えることです。

  • お手本を見せる: まずは親御さんが、楽しそうに、気持ちよく挨拶する姿を見せましょう。「こんにちは!」と声をかけられたら嬉しそうに返す、お店の人に「ありがとう」と伝える。そんな日常の場面がお手本になります。
  • 一緒に経験する: お子さんが挨拶できなくても、まずは親御さんが「〇〇(お子さんの名前)も『こんにちは』だって」のように、お子さんの気持ちを代弁して伝えてあげるのも良い方法です。一緒に挨拶の心地よさを経験する機会を作りましょう。
  • シンプルなルールを作る(必要な場合): 「いつ」「誰に」挨拶するのかが分かりにくいお子さんには、具体的なルールを決めるのも有効です。例えば、「朝11時までは『おはよう』、それ以降、夕方5時までは『こんにちは』にしようか」のように、時間で区切るなど、分かりやすいルールをお家で相談して決めてみましょう。慣れてきたら、少しずつ応用していけばOKです。

焦らず、「挨拶って楽しいな」とお子さんが感じられるような関わりを心がけたいですね。

「ごめんなさい」は難しい… だからこそ、段階的なサポートを

挨拶よりも「ごめんなさい」は、さらにハードルが高いものです。なぜなら、相手の気持ちを想像したり、自分の非を認めたりする必要があるからです。

お子さんの気持ちを理解する まず理解したいのは、お子さん自身は「悪いことをした」と自覚していない可能性があるということです。例えば、お友達のおもちゃを取ってしまっても、本人としては「使いたかっただけ」で、それが相手を悲しませるとは思っていないかもしれません。悪いと思っていないのに「ごめんなさい」を強要するのは、お子さんにとって納得がいかないですよね。

どうすればいい?

  • まずは親が代弁・お手本: お子さんが謝れない場面では、まず親御さんが相手に「(お子さんの代わりに)ごめんね」と謝る姿を見せましょう。これが「こういう時は謝るんだな」というお手本になります。
  • 状況を説明し、促す: その後、お子さんにも「〇〇ちゃん、おもちゃ取られて悲しかったって。『ごめんね』って言おうか」のように、状況を分かりやすく説明し、謝罪をそっと促してみましょう。
  • 無理強いはしない: 最初から完璧に言えなくても大丈夫。「ごめんね」の言葉が出なくても、おもちゃを返す、頭を下げるなど、お子さんなりに「ごめん」の気持ちを表せる方法を一緒に探していく姿勢が大切です。

大切なのは「その子らしさ」

挨拶も謝罪も、コミュニケーションの大切な要素です。でも、できるようになるペースはお子さんそれぞれ。

今回ご紹介した方法は、あくまでもヒントです。一番大切なのは、叱るのではなく、お子さんの気持ちに寄り添い、「どうしたらこの子に伝わるかな?」「どうしたら無理なくできるようになるかな?」と考え、その子に合った方法を見つけていくこと。

「その子らしさ」を大切にしながら、焦らず、根気強く、そして何より、親御さん自身がコミュニケーションの楽しさを示すことで、お子さんの成長をサポートしていけると良いですね。

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