運動の発現機構

運動の発現機構

固定されたニューロン回路(反射弓)

意志による修正なく刺激の強さに応じた反応が出現することを反射と言います。

自発(随意)運動システム

運動欲求→運動計画立案→運動プログラムの呼び出し・作成→運動遂行

運動欲求

自発的運動の欲求 (動機づけ)を生み出す中枢は辺縁系領域と予測されています。 辺縁系は辺縁葉、扁桃体、中隔部、視床下部、手綱核、視床前核などから構成されます。 自律機能、嗅覚、情動、記憶、本能行動などに関係しています。 辺縁皮質を電気刺激すると、脊髄反射運動や大脳皮質運動野刺激運動が抑制されます。

運動計画

主として運動連合皮質野が担当しています。目的達成のための状況判断や運動プログラムの選択をする役割があります。

運動プログラムの呼び出し・作成 主として大脳基底核、小脳、運動前野、補足運動野が担当しています。運動計画に即した筋収縮と筋弛緩のための運動プログラムを選択します。 既習得プログラムであれば呼び出し、新プログラムであれば作成と記憶をします。

運動遂行

運動の遂行は、直接達成する運動(目的運動)と、それを可能にするための姿勢保持運動(支持運動)によって構成されます。

目的運動:錐体路(皮質脊髄路)

支持運動:錐体外路〔前庭脊髄路、赤核脊髄路、上丘(視蓋)脊髄路、網様体脊髄路〕

反射の分類

  1. 加えられた刺激による分類:伸張反射、加速反射、対光反射など
  2. 受容器の存在部位による分類:深部反射、表在反射など
  3. 反射弓を構成するシナプス数による分類:単シナプス、多シナプス反射など
  4. 反射中枢が存在する部位による分類:脊髄反射、脳幹反射、大脳皮質反射など
  5. 応答筋による分類:伸筋反射、屈筋反射など
  6. 応答運動パターンによる分類:屈 曲反射、伸展反射など
  7. 反射の合目的性による分類:逃避反射、保護伸展反射など

単シナプス反射と多シナプス反射の差異

  1. 単シナプス反射は、受容器と効果器が同じかまたは協同筋にあるため限局的に起こりますがが、多シナプス反射には厳密な対応はありません。
  2. 単シナプスー反射では潜時が一定ですが、多シナプス反射では直列に接続する介在ニューロンの数に応じて潜時が長くなります。
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